<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 秋興八首 一>
<Format: 七言律詩>
<Year: 1965>
<BookName: 唐詩選　下>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 秋興四首（しうきょうししゅ）　一>
<BookPage: 120>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
玉露凋傷楓樹林，
巫山巫峽氣蕭森。
江間波浪兼天湧，
塞上風雲接地陰。
叢菊兩開他日淚，
孤舟一繫故園心。
寒衣處處催刀尺，
白帝城高急暮砧。
<End Poem>
<Translation>
玉なす露がおけば、岸べにならぶ楓の林はいっせいにしぽみ傷ついてゆく。
巫川の山は高くそびえ、巫峽の谷間は深くそばだっている。ぞっと身にしみる秋の氣がきびしく、ものさびしい。長江の波浪はまるで天をひたすように湧きかえっており、古城をたちこめる風雲は暗澹として地平線に垂れさがって曇っている。 ここで二度も菊の花が咲くのを見るが、これも過ぎし日の涙のたねならぬはない。小舟一つを乗り棄てて、しばしの假の宿をここに定めたが、故郷に歸りたい心に變わりはなく、ただそれが自由にならない身の上だ。だんだん寒くなるにつれ、どこの家庭でも、鋏や物尺を持ち出して冬着の用意おさおさ怠りないようす。
白帝城が高くそびえる下で、あちらこちらで砧打つ音が夕ぐれ空に反響して聞えてくる。
<End Translation>
<Formatted Translation>
玉なす露がおけば、岸べにならぶ楓の林はいっせいにしぽみ傷ついてゆく。
巫川の山は高くそびえ、巫峽の谷間は深くそばだっている。ぞっと身にしみる秋の氣がきびしく、ものさびしい。
長江の波浪はまるで天をひたすように湧きかえっており、
古城をたちこめる風雲は暗澹として地平線に垂れさがって曇っている。
ここで二度も菊の花が咲くのを見るが、これも過ぎし日の涙のたねならぬはない。
小舟一つを乗り棄てて、しばしの假の宿をここに定めたが、故郷に歸りたい心に變わりはなく、ただそれが自由にならない身の上だ。
だんだん寒くなるにつれ、どこの家庭でも、鋏や物尺を持ち出して冬着の用意おさおさ怠りないようす。
白帝城が高くそびえる下で、あちらこちらで砧打つ音が夕ぐれ空に反響して聞えてくる。
<End Formatted Translation>